【自己愛性人格障害の人から逃げられない仕組み】ナルシストから離れないターゲットの末路とは
夫婦、友人、職場の人との関係、どんな人間関係もお互いの気遣いや協力は無くてはならないものだと思います。
片方だけが我慢して、もう片方はお構いなしに相手の良心を上手く利用する、こんな状態では良好な関係とは言えませんよね。
『ナルシストはこんなパーソナリティを持った人で、関わるとこういうことが起きる可能性がある』ということを、今までこのブログで発信してきました。
では、もしナルシストのターゲットにされた時、被害者が逃げなかったらどういったことが起こるのか、今日は『ナルシストから逃げないターゲットの末路』について喋ろうかなと思います。
ナルシストから逃げないターゲットの末路
ナルシストは容赦無く人に嘘をついて騙し、欲しいものを搾取することがあります。
『謙虚で、真面目な人ほど騙される』というのが現実ですが、彼らは『この人は自分に構ってくれる。自分の心を満たしてくれる存在にふさわしいはずだ!』と人を選んで、品定めをします。
狙われてしまったターゲットは、後にイネーブラーになる可能性が高いです。
一生懸命自己陶酔のタンクを補充するイネーブラーになると、搾取され続けメンタルが疲弊していきます。
ナルシストは親に認められずに育ったなど幼少期の問題を抱え、見捨てられ不安なことが多いです。
また幼少期のトラウマだけでなくもう1つ理由があって、彼らの心の奥底には自己陶酔というブラックホールのようなものが存在します。
この底なしのブラックホールを満たす目的で、自己陶酔的な供給というサプライを必要とするので、自己陶酔をくれるターゲットを手放したくないんですね。
自己陶酔が手に入らないと、気分が落ち着かず些細なことで突然怒ったり、メンタルが不安定になり鬱っぽくなります。
さらにナルシストは理想化と脱価値化というものを繰り返すんですが、この理想化と脱価値化の違いは、ターゲットに対しての態度がガラッと変わります。
脱価値化でモラハラを受けても、ナルシストさえ精神状態が落ち着けばまた理想化に取り掛かるので、多くの被害者は次第に離れようか迷います。
この時多くの人は離れたくても、縁が切れない状態にあるんですが、このようにナルシストと関わり続けると、どういったことが起こるのか今から解説していきます。
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①心理的にコントロールされる
まず1つめは、心理的にコントロールされる関係が継続し、習慣化されるということです。
ナルシストの虐待サイクル(The Narcissist's Abuse Cycle)
①ラブボミング(Love bombing)
②脱価値化(Devaluing)
③廃棄と別れ(Discarding)
④フーバリング(Hoovering)
一部のナルシストは感情の起伏が激しくて、彼らとの関係は浮き沈みの激しいジェットコースターのように感じます。
ポイント
ターゲットは彼らを怒らせないように気を遣う
自己陶酔を与えて、機嫌を取る
神経を使い、体力が消耗する
理想化でラブボミングを与えられ、ターゲットにドーパミン作用が働く
ナルシストは脱価値化に戻る
モラハラに耐えられず、ターゲットが離れようとするとフーバリングが始まる
このように波のように上がったり下がったりする状態が続きます。
ターゲットのマインドがコントロールされた状態っていうのは、どう状態なのかというと、まずマインドというのは物事に対する意識とか何かをしようとする意識のことを指すんですね。
自分の意識をコントロールされてしまうというのは、自分の行動にも影響するということになります。
マインドは心とか精神のことで、人間は思考に伴って行動するようになっています。
要するに、考え方や思考が行動となり、それが習慣になり、それが最終的に性格になるということになります。
例で挙げるなら、例えば多くの毒親は子供の個性を否定する発言をしたり、子供を一方的に責め続けて育てるんですよね。
『悪い子』とレッテルを貼られ、ありのままの自分を認めてもらえなかった子供の自己肯定感は、どんどん下がっていき、自信がなく精神的に不安定なまま成長していきます。
一方で、親に愛情いっぱいに育てられた子供は、感情的にも成熟し、共感性が高かったり自尊心も養われていきます。
ナルシストとの関係も、彼らに脱価値化されて存在意義を否定されることは、次第にメンタルにも悪い影響を与えますが、問題はこのサイクルの渦に巻き込まれている時は、自分が精神的虐待の被害者なんだと認識できないことにあります。
ただもし『自分はナルシストにコントロールをされているんだ』と気づくと、アウェークニング(Awakening)ということが起きます。
これは少しスピリチュアルっぽく聞こえますが、単純に気づくとか目覚めるという意味です。
例えば、洗脳から目が覚める感覚です。
アウェークニングというのは、感覚が敏感になり自分の頭でちゃんと考えることが出来る状態になることを意味するんですね。
『その手には乗らない』と、毒親からの支配から解放されたり、モラハラに抵抗したりなど、以前の自分を取り戻しつつある感覚のことです。
私たちは段々知識を身につけていくうちに、彼らが使う心理的テクニックにも気づき、『彼らは自己愛が強い、だけど自分自身を愛せないし、他者を愛することも出来ない』と気づきます。
でも私たちが目が覚めた状態でも、ナルシストはもっとコントロールしようとしてきますよね。
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②認知的不協和が起こる
そこでターゲットは、違和感とか不快な感覚を抱きながら過ごすことになります。
この時点で起きやすいのが『認知的不協和』です。
■認知的不協和とは
『自分の頭の中に矛盾する2つの情報を抱えた時に心地の悪さや不快感を感じること』を指します。
明らかに自分が正しい状況でも彼らのマインドコントロールによって『自分が間違っていて相手の言ってることが正しい』と自分自身を疑ってしまいます。
このようにガスライティングをされる度に、自分自身の記憶や認識を疑ってしまうので、混乱した状態というのは続くことが多いです。
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③共依存から抜け出せない
3つめは、共依存関係に陥る可能性があるということです。
共依存とは、お互いがお互いを依存しあう関係のことを意味しますが、片方だけが依存するケースもあります。
共依存というのは、簡単に言えば依存なんですね。
ナルシストはモラハラだけではなく、ターゲットを依存させる何かを与えます。
例えば、何か彼ら自身の目的を達成するためにラブボミングをターゲットに与えます。
それ以外にも、ターゲットはキレられるのを避けるために、彼らの理不尽な要求に応えます。
ただこの状態が長続きすると、ターゲットとナルシストに支配関係が成り立ってしまい、やがてターゲットはイネーブラーになります。
イネーブラーになると、自分の存在意義を認めてもらおうとして過剰にナルシストをサポートするようになるんですね。
特に、自己肯定感の低い人がイネーブラーになりやすいとされていて、ガスライティングでターゲットの自尊心を傷つけます。
この時自己肯定感が下がりますが、ナルシストにイネーブリングすることによって自己肯定感が高まります。
自分の存在価値を感じることができるので、とにかく一度共依存になるとこの負のサイクルからはかなり抜け出しにくいです。
また他人との境界線が上手く引けないことから、どこからがだめなのかはっきりしていないんですね。
欲しいものがあったら泣くし、盗むし、騙すし、嘘もつきます。
このようにナルシストは利己的であり、それに付き合わないといけないのは周囲にいる人たちになります。
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④ビクビクした日々を過ごす
ターゲットは『いつ怒りの矛先が自分に向くか分からない』と、ナルシストの顔色を伺い気が休まりません。
そもそもナルシスト自身も、かつて虐待の被害者であった場合が多いです。
虐待を受けたらナルシストになるのかと言うと、そうではありません。
ガスライティングなどの心理的テクニックを操作的な親から習得したり、道徳的に間違ったこともそれは完全に正しいことだと教えられます。
実際のところナルシストの親もナルシスト傾向が強いように、親からナルシシズムを身につけるんですね。
小さい頃に『自分の思い通りにいかなかったら、こうするんだ』と学ぶと、次第に自己愛憤怒やガスライティングを習得するようになります。
そして、ターゲットになってしまった被害者に当たり前のように、自分の受けていたモラハラをする訳なんです。
ターゲットはナルシストを怒らせないように、緊張感の中で生活します。
ナルシストの怒りと言えば自己愛憤怒で、これは自己愛損傷という傷に触れられた時に起きるものです。
自己愛憤怒は数時間、数日では収まらず何年も、長い期間続くこともあります。
ナルシストは過去に自分がされたこと、言われたことをいつまでも覚えているんですね。
ターゲットに対して『あの時お前はこうしたよな』と些細なことについても責め続けます。
ちょっと失敗したり、ナルシストの機嫌を損ねると、言葉の暴力で傷つけられます。
汚い言葉で罵倒しなくても、カバートナルシストの場合だと皮肉を言って、少しずつ相手の自尊心を傷つけていきます。
暴言や暴力だけがナルシストのやることとは限らず、心理的にコントロールする心理的虐待があるんですね。
『親が望む通りのいい子でいなきゃいけない』『夫/妻にとって完璧な存在でいなければいけない』と完璧主義を押し付けられます。
それはナルシストのエゴが根源であると考えられ、ナルシストはファンタジーの中に住んでいます。
自己愛性パーソナリティ障害を持つ人は、ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害です。
そして、常に偉大な自分にふさわしい華々しい成功を空想する特徴があります。
要するに、子供や周りにいる人を鏡のように扱うんですね。
自分が少しでも衰えていると恐れの感情を抱くと、それを相手にも与える必要があります。
また周囲のイネーブラーは自分の存在を引き立ててくれるアクセサリーや、トロフィー的感覚です。
『都合のいいように動いてくれる存在である』という思考を持つ人と一緒にいると、被害者の負担というのは遥かに大きいです。
共感性が高い思いやりのある人からすると、こういった良心の欠片もない人と生活することは非常に困難であると言えます。
今回は、ナルシストと無事に離れられることができた人にとっては、『本当に離れた甲斐がある』と改めて感じさせられるような内容だったかもしれません。
結婚相手の親がナルシスト、結婚相手がナルシストなど、自己愛傾向の強い人とこれから一緒に生活する可能性のある方は、こういったサイクルが存在し、彼らはこういった行動を繰り返すということを知っておくことは、自分のメンタルを守るために役立ちます。
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この記事を書いた人
中村りん
渡米後、悪性ナルシスト(Malignant Narcissist)によるモラルハラスメント体験をきっかけにアメリカのナルシシズムに関する知識を得て、2021年情報発信するためYouTubeを開始。日本でまだ知られていない自己愛性虐待や、ガスライティングへの認知度と理解を高めるために活動中。同じ境遇の方の自尊心の回復とエンパワーメントに向けて『目に見えない精神的虐待』や『有毒な人(Toxic person)』への対策を解説。
【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg【Twitter】https://twitter.com/RinNakamura999