中村りんの心理学研究所

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ナルシスト・ナルシシズム・自己愛性虐待を詳しく解説しています。

【要注意】陰湿な攻撃で人の心を痛める「褒めながらディスってくる人」の特徴と対処法|自己愛性パーソナリティ障害

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今日は「褒めながらディスってくる人の正体と対処法」についてお話ししたいと思います。というのは、ここ最近「褒めながら貶してくる人は、どんな心理で嫌味を言ってくるの?」という質問をよく貰うからです。

 
今回は、人に嫌な思いをさせながらも、称賛を与えたり、敵でも味方でもないポジションにつこうとする人の正体は何なのか、それと彼らの攻撃方法についても細かく探っていきたいと思います。最後には、対処法も紹介しますので、最後まで見逃さないでくださいね。

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陰湿な攻撃で他人の心を痛める「褒めながらディスってくる人」の特徴

 
今まで、誰かに対して「その一言余計じゃない?わざわざ、それ言う必要ある?」とか、「褒めて応援してくるけど、どうして嫌味っぽく聞こえるんだろう…」と感じたことはありますか?
 
「面倒見が良くて、親切にしてくれて、困った時は助けてくれる。でもどこか、自分はこの人に軽蔑されている気がする」
 
このような感覚を誰かに持ったことがある人は、今からお話しすることは、その人物の特徴に当てはまる可能性が高いと思います。
 
例えば、「なんかこの服個性的だね!こんなの似合うのあたなだけだよ」といった発言など、褒めながらも相手を不快にさせることを、わざと言ってくる人がいます。
 
実は、こうした褒めながらディスってくる人は、カバートナルシスト(Covert narcissist)の傾向が強いとされています。カバートナルシストは、ナルシシズムの特性を内在化し、自己肯定感の不安定さや他者との関係における支配欲求をはっきり表面に表さずに、隠れた形で表現するパーソナリティ障害の一種です。
 
カバートナルシストの他にも、脆弱型ナルシストや隠れナルシストと呼ばれることがあります。高圧的な態度で人を罵倒するモラハラ・パワハラタイプの尊大型ナルシストの特徴とは異なりますが、基本的にはカバートナルシスト含め、ナルシスト全員は非常に高い自己重要感を持ちます。
 
「自分が重要な存在である」という感覚のことを自己重要感言いますが、ナルシストはそれに加えて、他者に賞賛されることに異常なほど過敏です。他の誰かが目立っていて、自分が注目の的になっていないとき、強い自己愛のせいで人間関係が上手くいかないとき、自分を批判されたとき、彼らは不安に襲われます。
 
でも、気持ちを晴らすために、他者を攻撃するのです。
 
とはいえ、カバートは「隠された」という意味なので、隠れた攻撃性が根底にあり、カバートナルシストの攻撃の仕方は、かなり陰湿です。彼らはどんな手段を使えば、その攻撃性を目立たせないようにすることができるか、潜在的に計算を働かせつつ行動する傾向があるんですね。
カバートナルシストは、間接的な攻撃方法を用いて相手を攻撃し、その中でも褒め言葉を用いた相手の貶め方が一般的です。日本では、モラハラという用語が広く使われていますし、モラハラをする人=自己愛性パーソナリティ障害とざっくり、一括りにされがちです。
 
ですが、実は、自己愛性パーソナリティ障害を持つナルシストにも色んなタイプに分類されていて、それぞれのタイプに特有の特徴や行動パターンが存在するということです。ナルシストの性格を細かく分析していくと、タイプ別によって攻撃方法や被害者が受ける影響も違ってくるということが言えます。
 
例えば、「自己愛性パーソナリティ障害の人は、店員さんへの態度が悪い」という特徴をよく耳にしますが、一概にそうとは限りません。それは単に、一部の怒りをあらわにする攻撃的なナルシストの性格特性であり、逆にカバートナルシストは、人見知りだったり、謙虚で礼儀正しかったり、時に温厚で愛情深いことだってあります。
 
周囲に良心的な人な印象を与えるから、カバートナルシストはナルシストの中でも一番見抜きにくいわけです。ターゲットに本当の姿を見せるまでは、良い人のマスクを被り、誠実な人柄を演じます。
 
でもそれは全て、演技です。
 
私たちは、カバートナルシストと関わる過程で、接触時間が長くなるにつれて、徐々に彼らのパーソナリティの偏りに気付き始めるんですよね。カバートナルシストは、ターゲットを軽蔑する態度を隠蔽しつつ、褒めたりサポート役に回ったりすることで、自己満足感を得る傾向があります。

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例えば、「〇〇しておいてあげたよ」という一言でも、どこか遠回しに皮肉を混ぜてきたり、ターゲットの間違いを指摘することを楽しみます。このような行動は、間接的な攻撃や皮肉など、非言語的な方法を通じて表現されます。
 
さらに、ターゲットの不十分な点を指摘することで、自己優位性を保ち、自己評価を高めることを目的とすることもあります。
 
こうした直接的ではなく、間接的に攻撃して相手に不快感を与える攻撃方法を、心理学で受動攻撃というんですね。カバートナルシストは、受動攻撃を本当によく使います。
 
後に残るような心にグサッとくる言葉を、ポンっと吐いたり、相手の失敗をカバーしつつ、隠れた攻撃的な意図を持って、自分自身を優位に立たせるために、相手に罪悪感を植え付けるという心理的な行動をとることがあるんですね。カバートナルシストは、良い人のふりをしながら相手にバレないように攻撃するプロですから、人の粗探しをして揚げ足を取る言動をします。
 
ただ、ターゲットは自分が攻撃されているということにすら気づけません。理由は、カバートナルシストは相手に対して、敵のように振る舞わないからです。
「いつもありがとう」「元気してる?」と至って普通のコミュニケーションを取って、味方のポジションについてくるので、正直ターゲットに選ばれても分かりません。それほど、彼らの虐待や嫌がらせは巧妙で、こうした意地汚いやり方で、ターゲットの精神を追い詰めていくのです。
 
「自分のことを応援してくれている。助けてくれている。励ましてくれている。支えてくれている。優しくしてくれる。でも、なんか時々傷つく」
ターゲットはこうした二つの複雑な感情が混ざり合い、認知的不協和に苦しむのです。
 
彼らとの関係に何が起こっているのか理解できず、混乱が続きます。ナルシストは、自分の弱点など弱みを隠す目的で、相手を攻撃するので、彼らの言動のせいで、ターゲットは責められているように感じます。
 
次第に、自分が変わらなければいけないような感覚に陥って、日常的に感情をコントロールされて、無意識に自分が悪いと勘違いしてしまうようになります。ナルシストの攻撃を受け続けると、自分自身を見失ってしまうことがあるのです。
 
だから、それが虐待だと自覚して知識を身につけることがとても大切です。その関係で何が起こっているか、自分がされていることは何なのか認識することが重要なんですね。
 
自分のせいではないと理解することで、自分の責任ではなく、相手の人格の問題だと知ることができます。また、嫌がらせや虐待を見抜くことは、難しいことではありません。
 
理由は、彼らは、同じ心理的テクニックや言動パターンを2つか3つ、繰り返し行うからです。このサイクルを把握して、ナルシストのサインを見逃さないことで、自分が受けているのはナルシストによる精神的虐待だということがわかります。
 
大抵の場合、彼らは同じ心理的操作の戦術を何度も繰り返す傾向があります。それが、味方のふりをして貶めたりだったり、わざとターゲットを仲間外れにして、不快感を与えたりなど、ナルシストによって攻撃の仕方が全然違いますが、基本的にはナルシストはパターン化された行動をとります。
 
このように相手を褒めながら侮辱するという受動攻撃は、ターゲットとの距離を縮めながら、コントロールできる攻撃方法です。相手をコントロールすることによって、自分の気持ちを満たしたりして、他人の負の感情を利用して、彼らの内側で足りないものを補って精神を保つのです。
 
カバートナルシストは、社交的な尊大型ナルシストと比べ、比較的大人しく、内向的です。彼らは尊大型ナルシストが備えるカリスマ性やリーダーシップを持ち合わせていないが故に、受動的に攻撃するという陰湿な攻撃手段を使わなければいけません。
 
カバートナルシストは、心の中で人を見下し、低い自己意識を埋めるために、ターゲットに受動攻撃をします。それは、ガスライティングをしてコントロールし、脆い自尊心を調節します。
 
自信があって自己肯定感の高い人は、そんなことする必要はありません。彼らは、他者をコントロールして、自分自身の精神バランスを調整する必要がないからです。
 
カバートナルシストは、受動的に攻撃して、相手の自尊心を低下させて、自分の自尊心を回復しようとします。そして、彼らの内面には、いつも被害者意識があります。
 
この被害者意識というのは、ナルシストに被害を受けた被害者が、自分が受けた被害を打ち明けたり、自分が被害者であることを主張することではありません。ナルシストは、本物の被害者に虐待をした加害者でありながらも、被害者を演じようとするんですね。
 
例えば、被害者の位置につきたがるナルシストはこんな発言をするかもしれません。「どうして、私って、いつもこんな目に遭うの?」「助けてくれなくて大丈夫。いつも被害を受けてるから、もう慣れた」など、被害者のスタンスを保ち、その場所から動こうとしません。
 
ほとんどの視聴者さんは被害を受けた後、「今、自尊心を回復するために頑張っています」「もっと勉強して、知識を深めたいと思います」と、被害者からサバイバーになって、自分を解放するために努力し、前に進もうとします。
 
ナルシストは、自己改善することはなく、加害した側なのに、被害者であり続けようとします。彼らが、被害者のふりをする理由は、人々をマニピュレーションするためです。
 
被害者のふりをして、他者から同情を求めて、低い自信や自尊心を補おうとするのは、ターゲットを共依存の関係に落とし込みやすいからということが言えます。自分が苦しんでいる姿を見せることで、ターゲットが自分から離れていかないように、相手の感情を支配できるからです。
 
こうして支配的なナルシストには、自分が変わろうと努力する姿は見られませんし、むしろ本物の被害者を悪者扱いして自己防衛します。ですので、周りにいる家族や友達が被害を被ることになり、ガスライティングなどの不当な扱いを受けることが多いわけです。

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陰湿な攻撃で他人の心を痛める「褒めながらディスってくる人」への対処法

 
では、身近にいるカバートナルシストが心ないことを言って、あなたを傷つけてきたり、受動攻撃をしてきたらどのように対処するべきなのか、お話ししていきます。
 
まずは、自分が彼らの否定的な感情やストレスの吐口である感情的なサンドバッグにならないように、カバートナルシストのサイン、特徴、言動のパターン、虐待のサイクル、心理テクニックを一通り理解することです。
 
最大の対処法は、知識を身につけてナルシストに打ち勝つことなんですね。
 
彼らがあなたに何をしようとしているのか、どういう心理であなたを攻撃してくるのか、しっかり理解することで、その状況に合わせて上手く対応できるようになります。そして、ナルシストに攻撃された時に、必ずするべきことがあります。
 
それは、境界線を引くことです。できることなら、家を出たり、退職したり、接触を減らして物理的な境界線を引いて、その関係から断つことが理想です。
 
ですが、家族や職場にナルシストがいて関わらないといけない場合は、感情的な境界線を引いて自分を守ることを忘れないでくださいね。
 
ネガティブで陰湿な攻撃に巻き込まれないように、「それはあなたが抱える問題であって、私の責任ではない。私には関係ない」という意思表示が大事になってきます。
 
例えば、会話中に否定的なことを言ってきても、「そう思うんですね」「ふーん」「そうなんだ」「そうなんですね」「へ〜」「分かりません」と毅然とした態度で、当たり障りのない返答をしてみるのがいいです。
 
変に考え込んでなんて返事しようか迷わなくても、答えたくない質問には、答えなくていいんです。話したくなかったら、要点だけ伝えて、事務的な会話だけでも全然大丈夫です。
 
それを継続的に行なって、境界線を引くことで、心理的なバリアを張ることができます。思い通りにいかなかったり、不安や嫉妬を感じるとナルシストは、あなたを攻撃してくるかもしれません。
 
でも、関わらない以外にも効果的な対処法がたくさんあるので、悩まずこのチャンネルで対策して、自分自身を毒を吐いてくる人から守ってくださいね。
 
私のYouTubeチャンネルでは、メンバー会員の方々へ最新のナルシスト対策や、彼らに対して有効な戦略を提供しています。
 
特に、「ナルシストがターゲットをコントロール出来なくなったサインと追い払う唯一の方法」についての解説も行っています。是非チャンネルの会員になって、ナルシストとの戦いにおいて強く入れるよう、ナルシスト対策を学んでみてくださいね。

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この記事を書いた人
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中村りん

2016年に渡米し、悪性ナルシストにターゲットにされた経験から、現地で学んだ自己愛性パーソナリティ障害(NPD)、心理学、ガスライティングに関する知識を活かし、2021年にYouTubeで情報発信を開始。日本ではまだ知られていない自己愛性虐待(Narcissistic Abuse)の認知度や理解を高めることを目的とし、”ナルシスト対策解説者”として活動中。同じ経験をされた方々の自尊心の回復とエンパワーメントに向けて、「目に見えない精神的虐待」や、「心理的に攻撃してくる人」への対処法をアメリカの最新心理学から解説。

【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg