中村りんの心理学研究所

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ナルシスト・ナルシシズム・自己愛性虐待を詳しく解説しています。

【誰も教えない】ナルシストに待ち受ける末路|自己愛性パーソナリティ障害

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【誰も教えない】ナルシストに待ち受ける末路|自己愛性パーソナリティ障害

 
今日お話しするのは『ナルシストに待ち受ける末路』です。このトピックについては、YouTubeのコメント欄やTwitterのDMで皆さんから沢山の質問をいただきました。
 
『ナルシストはいつか変わってくれますか?』『ナルシストの末路はどうなるのですか?』という疑問に、まとめてお答えしていきたいと思います。

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ナルシストに待ち受ける残酷な末路

①攻撃性を増す
 
結論からお伝えしますと、残念ながらナルシシズムは年齢とともに悪化するというのが残酷な真実です。
 
自分自身を成長させてくれる健全なナルシシズムは、自尊心の中心部ともなり、上手く働けばポジティブな自信にも繋がって、それが長所にもなるわけです。
 
でも逆にナルシストが持つ不健全なナルシシズムは、高齢になればなるほど加速していくんですね。
 
歪んだ自己愛が以前よりも肥大化することによって、彼らは人の話や意見を聞かず、『絶対に自分は正しい』という思考で威張って、上から目線で物を言います。
 
高齢のナルシストは昔に比べてもっと攻撃的でキレやすくなったり、周りの人たちも手に負えないようになるかもしれません。
 
自分本位で行動し、順番を待てなかったりマナーを守らなかったりなど、より傲慢な態度を取って敵意をむき出しにします。
 
例えば、お店で店員に怒鳴り散らかしたり、人に迷惑をかける悪質なクレーマーを見たことはありませんか?
 
あんな感じで店員が丁寧に対応し、事情を説明したとしてもナルシストは聞く耳を持たず、怒鳴り散らかすことも多いです。
 
自分がされて嫌なことを平気で他人にする人間になり、憶測だけで物事を判断し、批判的になることも多いです。
 
ナルシストは年齢を重ねたことから、『自分は相手より何でも知っている』『相手より多く経験してきた』と自分の能力を過信するわけなんですね。
 
ちょっとしたことで敵意を向け、何かとちょっかいを出して争おうとしてくることもあります。
 
わざと人を困らせる目的で悪意で敵のように振る舞いますが、実は相手の気を引こうとする心理が働いていることが考えられます。

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②孤独になる
 
攻撃さを増したナルシストは常に不平不満を口にしたり、より短気になり、よりわがままになります。強いこだわりを持ち始め、高圧的な態度で家族や部下に接するようになります。
 
例えば、当の本人は他者に対して感謝の気持ちを忘れ、マナーをわきまえないにも関わらず、『年寄りを敬え』『もっと感謝しろ』と言うかもしれません。
 
年老いたナルシストは、年齢だけ重ね人生からポジティブことを何も学ばなかった中身が空っぽの人間になります。
 
またプライドが高く、以前にもまして愚痴や悪口ばかり言います。家族や親戚に疲れやストレスをぶつけ、愛想をつかした回りの人たちは次第に距離を取り始めますよね。
 
周囲の人たちはナルシストとの付き合いに不快感や苦痛を感じ、付き合うにも限界が来て避け始めるようになります。
 
するとナルシストは精神的にかなりのショックを受ける可能性があります。
 
彼らは見捨てられ不安の傾向があり、見捨てられること自体よりも、自分を見捨てた相手に怒りの感情を覚えます。
 
理由は、こちらの動画でも違いを詳しく解説していますが、同じクラスターB群である境界性パーソナリティ障害も、自己愛性パーソナリティ障害と同じく見捨てられ不安の傾向が強いです。
 
ですが、境界性パーソナリティ障害は『愛情を与えてもらうこと』に依存し、愛に飢えています。
 
一方で自己愛性パーソナリティ障害は、愛されることよりも自分の存在が認められること、もしくは自分に価値があるのか存在を証明することに過敏だということです。
 
よってナルシストは愛情を与えて欲しいというよりも、愛されている自分を見せつけるための自慢がそもそもの目的だということが言えます。
③依存症を抱える
 
周りの人たちがナルシストの性格の異常さに気づいて離れていくとどうなるのか。彼らは孤立していくので、孤独感を紛らわせるためにアルコールやギャンブル、浮気、買い物、恋愛に依存する可能性大です。
 
異性の注目が自分に向いていないといけないことから、『完璧な自分』『理想の姿』を求め、コンプレックスを必死で隠すために、何度も何度も整形を繰り返すなんてこともあります。
 
依存までいってしまうとそれを追い求めても決して満たされないし、気持ちが満足することはありません。彼らは『注目と賞賛』を得られないと、不安が襲うわけです。
 
自身が抱えるトラウマ、ストレスや不安を解消するために、歯止めが効かないほど何かに依存し現実逃避するんですね。
 
実は、ナルシストは完璧な自分で居続けること、演じることに強いストレスを感じています。
 
『いつか自分の自己イメージが破壊してしまうんじゃないのか』『もしかすると自分は無能だということがバレるかもしれない』と生きづらさを感じながら、その痛みや不安を隠すためにモラハラを繰り返すのです。
 
ただターゲットにモラハラが出来ない状況では、依存相手をその人から他の何かに変更する必要があります。
 
たまたま依存対象がモラハラを受けた被害者であっただけで、新しいターゲットが見つかると、違う種類の自己陶酔を与えてくれる新しい標的に執着します。
④周囲の人を支配したがる
 
旦那さん、奥さんを束縛したり、子供や孫の進路や夢に口出ししたり、過干渉になり他人をコントロールしたがることも多いです。
 
ナルシストの持つ自己愛は健全な自己愛ではありません。非常に歪な形をした不健全な自己愛であり、彼らは自分自身の壊れやすいエゴを守るのに必死なんですね。
 
健康的な意味で自分自身をリスペクトできず、変に自己愛が歪んで自分を過大評価します。もちろん自分を尊重できない人は、他人を尊重することはできません。
 
自己愛が強いということは、裏を返せば自分に自信がなく、外側から自己陶酔的な供給を補わないといけないわけです。他人を利用し自己肯定感を高め、精神を保つんですね。
 
それが、相手をコントロールする支配的な人の心理なんです。ナルシストは安心感を得るために、周囲に自分の思うように動いてもらおうとします。
 
例えば、夫の親がナルシストの場合はお嫁さんをこき使ったり、指図したり、育児やプライベートのことにまでいちいち口出ししてくるかもしれません。
 
ターゲットをコントロールしないと気が済まないナルシストは、もし相手が自分に従わないと自己愛憤怒という怒りを起こします。
 
理由は、ターゲットをコントロールできないと欲しいものが手に入らないからです。自己陶酔が得られない状況は、ナルシストにとって非常に退屈で面白くないものなんです。
 
何度も言いますが、自己愛性パーソナリティ障害を持つ人は他者からの注目と賞賛を異常なほど欲しています。
 
誰かに賞賛されることに依存しているナルシストは、周りの人間関係をコントロールしたり、他人の家庭内の問題やプライベートな事情にまで口を突っ込んできたりなどして、注目を浴び承認欲求を満たそうとするわけです。

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⑤他者に執着する
 
他人に執着しやすいナルシストは、彼ら自身で彼らの人生を楽しむ方法を知りません。特定の人間に固執して、一生懸命底なしの自己陶酔のタンクをエゴで満たそうとします。
 
職場を退職したり、我が子が自立していくと彼らにも時間の余裕が出てきますので、俗に言う『かまってちゃん』であるナルシストは他者に付き纏って、自分に足りない部分を他人で補うわけです。
 
孤独を異常なほど嫌うナルシストは、フーバリングというものを行います。これは心理学で、ターゲットをもう一度捕まえようとする心理から、再び接触しようとすることを意味するんですね。
 
例えば、愛想をつかして疎遠になった家族に連絡したりなどが挙げられます。
 
ナルシストは世間体を過剰に気にするんですよね。自分自身の振る舞いのせいで孫に会えなくても、友人や近所の人、自身が所属するコミュニティの人たちに孫自慢したり、『素敵なおじいちゃん、おばあちゃん』を演じます。
 
どうしてかと言うと、そうすることで承認欲求が満たされるからです。ちなみにナルシスト=攻撃的とは限りません。
 
子や孫を溺愛し過剰に甘やかしたり、とにかく欲しがるものを与え続ける、心理学では『イネーブリング』という行為を続けます。
 
甘えさせると甘やかすというのは全く違うことなので、基本的にイネーブリングをし続けることは良くないものとされています。
 
子の自立を妨げ一人で生きられないようになったり、将来困難に立ち向かった度にすぐに挫折し、心が折れやすくなるわけなんですね。
⑥搾取的行動を継続する
 
ナルシストは人に与えてもらって当たり前だと考えます。普通は与えてもらった分、お返しとして与える関係を築こうとしますが、ナルシストは与え続けてもらうことが当然だという思考を持ちます。
 
家族や友達から搾取し、人から奪ったものさえも自分のものにします。例えばよくあるのが、人の手柄を横取りするタイプです。
 
職場で同僚が努力して積み上げてきた成果を台無しにしてまで、自分は優位に立ちたいと、卑怯な真似をしてまで努力せずに成果を出そうとします。
 
これは自己愛性パーソナリティ障害の代表的な特徴のうちの一つで、彼らは特権意識が非常に強いです。
 
他にもよくある例を挙げると、虐待やネグレクトをしていた親が疎遠になった子供に、金銭を要求してくるなどですね。
 
ナルシストとお金にまつわる話ですが、皆さんの関わっているナルシストってお金にルーズな人が多くないですか?
 
具体的な例としては、ナルシストは子供のお金を勝手に使い込んだり、お金を要求するなど、精神的にも経済的にも子に負担を与えます。ナルシストは歳だけおいて、中身は空っぽです。
 
ナルシストではない素敵な性格をした人たちは、歳を取っても自分が経験したことを生かしながら、自分の人生を歩みます。
 
反対にナルシストは、『自分でどうにかしないといけない』と考える代わりに、『いつも誰かが尻拭いをしてくれる』と人に甘え、他者を頼りに生きていきます。
 
原因はもちろん周囲のイネーブリング行為によるもので、この心理学で言うイネーブリングというものは分かりやすく言うと、『過度の甘やかし』です。ナルシストにイネーブリング行為を継続するのは禁物とされています。
 
理由は簡単で、イネーブラーがイネーブリングをし続けることで、ナルシストをダメな人間にさせるからです。
 
人を助けることは生きていく上で必要不可欠なことですが、ギャンブル依存症のナルシストにお金を貸し続けたり、アルコール依存症のナルシストに治療を勧めず、お酒を与え続けることは決して良い結果になるわけがありません。
 
ナルシストは自分にイネーブリングしてくれるイネーブラーを見事に標的に定め、搾取的行動を繰り返し、家族や周囲を巻き込んでいくのです。

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⑦一切関心を示さない
 
ナルシストと言っても、一概に虐待的、または過保護・過干渉とは限りません。ネグレクトタイプのナルシストは自己中心的で、子供や他人に無関心なので、相手がどんな状況であれ全く興味を示さないことも珍しくありません。
 
この理由としては、自己愛性パーソナリティの共感力の欠如にあります。『親なのに子供に無関心である』とか、家庭環境が良くなくて親と不仲である。
 
家族だけど、話してもものすごく事務的な会話で終わったり、家族と疎遠になっているなど、ナルシストがいる家庭では様々な問題を抱えます。
 
ナルシストは相手を尊重することよりも、自分の望みを優先し、家族と感情的な繋がりを築こうとしません。
⑧被害者意識が強くなる
 
ナルシストは歳を重ねるにつれて、被害者意識が強くなります。自分の味方をして持ち上げてくれる存在である取り巻きを増やし、ナルシストのモラハラ行為を隠蔽したり後押しするフライングモンキーという軍隊を作り上げるんですよね。
 
『あいつが〇〇しなかったら良かったんだ』『全てあいつのせいなんだ』と自分のミスを罪のないターゲットのせいにして、周囲の同情を誘います。年齢を増すごとに心理的操作も巧妙になり、嘘も病的につくようになります。
⑨鬱っぽくなる
 
信用していた人たちが自分の元から離れていった。でも共感力の欠如のせいで、どうして人が自分を避けているのか根本的な原因が分からない。
 
自分に問題があることに気づけない。そして、他人の気持ちを察することが出来ず、自分しか見えない。
 
相手の気持ちを汲み取れないので、良好な人間関係が気づけない。これらの問題を抱えるとナルシストは、精神のバランスが崩れ、メンタルに支障が出始めます。
 
現に自己愛性パーソナリティ障害の人は、鬱病を引き起こしやすいというデータも出ています。
 
一気に落ち込んだり引きこもりがちになって会社に出社できなくなるなど、ナルシシズムは社会的にも大きな影響を与えているのが事実です。

ナルシストから被害を受けた時にするべきこと

 
今回はナルシストは果たして変わるのか。彼らの末路についてお話ししましたが、残念ながらナルシストが心を入れ替えて、精進するのかというとその確率は非常に低いかもしれません。
 
特に悪性ナルシストであれば、モラハラ行為や支配は悪化する一方で、その関係から逃げようとした時ターゲットはどっぷり共依存の沼にハマってしまって抜けられない可能性が高いです。
 
『ナルシストから逃げるなら、早いうちに逃げたほうがいい』と多くの専門家が仰る理由は、ナルシストは歳を取るにつれて状態が悪化していくからです。
 
『モラハラは治るの?』という質問もよくいただきますが、別居や距離を置くことで一時的に良くなることはあったとしても、彼らの根本的な性格が180度変わるということは珍しいと思います。
 
人格というのは私たちが知っているよりももっと複雑なものであると考えられますし、幼いうちから何年もかけて形成されていくものなので、数日で変わるということは本質的に無理なのかもしれません。
 
本人に自覚があるか、努力して変わろうとするのかが重要ですし、根本的に『自分のやっていることがモラハラや精神的虐待』だということを理解しているかで大きく変わってくるわけです。
 
ナルシストによる精神的虐待であるナルシスティック・アビュース(自己愛性虐待)は世間的に全く知られていない特殊な虐待ではありますが、これからの時代こういった『目に見えない虐待』の理解を深めることが重要になってくると思います。
 
『被害を訴えたら、こっちがおかしい人扱いされた』『受けた被害を話しても、周りの人に理解してもらえない』『混乱してて、自分に起きたことを上手く人に説明できない』という悔しい思いをされた方も少なくありません。
 
被害者はせっかく勇気を出して被害状況を伝えたのに『なんでそんな人と結婚したの?』『あなたの我慢が足りないんじゃないの?』『結婚ってそういうもんでしょ』『あなたに至らないところがあったんじゃない?』『ちょっと言われたくらいでいちいち大袈裟だね』と、傷口に塩を塗るような心ないことを言われることもありますよね。
 
被害者の悲しみや苦難、モラハラの実態を理解してもらうには、まずは自分自身が受けた被害や心の傷、加害者の心理状態や目的、心理的虐待の手口や虐待のサイクルの仕組みなど、根本的な問題を少しずつ理解し、もつれた糸をほどくようにごちゃごちゃした頭の中を整理して、すっきりすることが大事です。
 
考えをまとめて脳内整理をすることで、精神的にも落ち着き心にも余裕が出てきます。あくまで主体的に知りたいと思い、知識を蓄積していくことがポイントだと思います。
 
自分が受けた被害を客観視するためには、いろんな方向から多面的にその関係を見てみて、ナルシストの価値観だけで判断するのではなく、自分自身の価値観を新しく作り上げていってくださいね。これは彼らのためではなく、あくまで自分自身のためです。
 
もし、皆さんが今現在実践してやっていることや、皆さんの目標、今頑張っていることなどあれば、是非コメント欄でお話聞かせてくださいね。
 
このブログを読んでくださっている方々も皆さんが毎日平穏に過ごせることを願っていますし、応援しています。
 
『親が今日お話ししたようなナルシストで長年悩まされている』という方へ、こちらのンバー限定動画で『自己愛の強い親の特徴と自分自身の癒し方』というものを解説しています。

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この記事を書いた人
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中村りん

渡米後、悪性ナルシスト(Malignant Narcissist)によるモラルハラスメント体験をきっかけにアメリカのナルシシズムに関する知識を得て、2021年情報発信するためYouTubeを開始。日本でまだ知られていない自己愛性虐待や、ガスライティングへの認知度と理解を高めるために活動中。同じ境遇の方の自尊心の回復とエンパワーメントに向けて『目に見えない精神的虐待』や『有毒な人(Toxic person)』への対策(アメリカ最新版)を解説。

【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg