中村りんの心理学研究所

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ナルシスト・ナルシシズム・自己愛性虐待を詳しく解説しています。

【無視する人の心理】ナルシストのモラハラの一種『サイレントトリートメント』について解説

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【無視する人の心理】ナルシストのモラハラの一種『サイレントトリートメント』について解説

 

このブログでは主にアメリカの心理学に関する知識を紹介している訳なんですが、このサイレントトリートメントという言葉自体はまだ日本ではあまり広く知られていない心理学の用語かと思います。

トリートメントと言うから一見誰かをケアする方法なのか?と思いますが、実はその反対でサイレントトリートメントは具体的にモラハラなどの精神的虐待をする加害者が、ターゲットである被害者に無視をして精神的苦痛を与える方法です。
 
特に自己愛が強く、自分を守るために他者を傷つけるナルシストや、目的達成のために人を巧みに操るマニピュレーターなど、こういった操作的なパーソナリティを持ったタイプの人がサイレントトリートメントを日常の中でよく使用します。
 
今日は『サイレントトリートメント』について解説していきますので、聞いたことがある方も知らない方も、サイレントトリートメントとは一体なんなのか、どういった行為がサイレントトリートメントに該当するのか認識していただけると思います。
 

また、どうして彼らがサイレントトリートメントを行うのか、その理由も明らかにしていきます。

 

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サイレントトリートメントとは

 
サイレントトリートメントとは、分かりやすくいうと『人を無視すること』なんですね。
 
相手と話すことを拒絶したり、コミュニケーションを取ることを拒否してターゲットを避けます。
 
ポイント
これは心理的虐待の一種で、精神的に相手を追い詰めるモラハラ(モラル・ハラスメント)をする人がよく使う手口です。
 
 
期間は数時間、数日など人により色々ですが、ナルシストやマニピュレーターはこのサイレントトリートメントを『ターゲットに罰を与える方法』として使用します。
 
この思考は人に対しての思いやりが全くなく、かなり冷淡だと思うんですけど、無視をしてターゲットを感情的に不安にさせることでナルシストは『自分はこの人をコントロール出来ているんだ』『自分の行動で人を動かせているんだ』とどこか勘違いしてパワーを感じられるんですね。
 
サイレントトリートメントをされると、被害者は『自分は存在すらしないんだ』『自分は価値のない存在なんだ』と感じるようになります。
 
ちなみにとても興味深いと思ったんですがサイレイントトリートメントという言葉は野球の用語らしいんですね。
 
心理学ではなく野球の言葉として使われる場合は、ホームランを打った選手がベンチに戻ってきても祝福せずに、皆で無視をして反応を楽しみます。
 
そして、結果的には全員で祝福するんですけど、打者がホームランを打ってベンチに戻ってきているのに、その選手に対してチーム全員が何事もなかったのように接して、無視したらどんなリアクションをするのか、そのチーム内でその選手をからかうために使われるらしいんですね。
 
野球の場合は選手をいじるためのジョークとして使用されますが、心理学のサイレントトリートメントは全く冗談とかではなく、嫌がらせの方法として使われます。

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サイレントトリートメントは受動的攻撃

 
サイレントトリートメントは『受動的攻撃行動(パッシブ・アグレッシブ)』のうちの一つとされていて、受動的攻撃行動を取る人は受動的攻撃性を持っています。
 
このタイプの人達をパッシブ・アグレッシブ(Passive aggressive)と言うんですが、パッシブ・アグレッシブのパーソナリティを持つ人は悪口や暴言であからさまに相手を攻撃するのではなく、サイレントトリートメントという陰湿なやり方でターゲットを懲らしめようとします。

 
彼らの目的は相手の感情をコントロールし、相手からエネルギーを吸い取って自己陶酔という供給を得ることです。
 
エナジーバンパイアとも言われるナルシストと言ったら、自己陶酔的な供給です。

自己陶酔的な供給とは

 
自己陶酔的な供給について詳しく知りたい方はこちらの記事で、自己陶酔的な供給は一体どういったものなのか分かりやすく解説しています。
 
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要するにこちらがサイレントリートメントなどの心理的コントロールにまんまと操られ、反応してしまうことは彼らに隙を与えエネルギーを補充してしまうことになるんですね。
 
もし仮に相手が健康的なメンタルを持つ人であれば、自分の機嫌くらい自分で取るので不機嫌を巻き散らかして、誰かに注目してもらったり心配してもらって自己陶酔的な供給を与えてもらう必要はありません。
 
ナルシストではない健康的な人は、
 
 
例えば
『ごめんね。疲れてるから明日話そう』
『ちょっとゆっくりしたいし、部屋にいるからね』
『一人の時間が欲しい』など
 
 
無視をする代わりに相手に配慮して、しっかりと自分の気持ちを伝えるはずです。
 
感情的に成熟した人は誤解を招いたり、相手の機嫌を損ねるのを避けるために自分の思いを相手に知らせてちゃんとコミュニケーションが取れると思います。
 
ナルシストはその反対で、自らのエゴを養うには自己陶酔的な供給をしなければいけません。
 
自己価値の感覚がないナルシストが自己陶酔的な供給をする根本的な理由は、パワーを感じたいということですので、他者を精神的に苦しめ悩ませるのを見ることでそれが自己陶酔のサプライになるというものすごく邪悪で危険な感覚を持っています。

無視する人の心理

 
では次にどうしてナルシストはサイレントトリートメントをするのか、『無視する人の心理』についてなんですが、単純に彼らはターゲットが自分にしたことが気に入らなかったからです。
 
例を挙げるとすれば、例えば
 
 
・距離を取ったり、境界線を引かれた
・自分の要求を断られた
・必要な時、注目してくれなかった
・ただ退屈など
 
 
ものすごく自分勝手で感情的に未熟で幼稚な発想からサイレントトリートメントを行うんですね。
 
他にもナルシストは自分の責任を相手になすりつけるためにサイレントトリートメントをしたり、自己防衛のために無視をして人を傷つけます。
 
サイレントトリートメントをよく使用する人は、幼少期に何か問題を抱えた可能性が高いとされていて、物事が自分の思い通りにいかない時人に八つ当たりをするとその不安やイライラが解消されるんだとかなり意地悪な思考からこういった自分本意の行動を取ります。

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どうしてサイレントトリートメントは人に害を及ぼすのか

 
サイレントトリートメントをする加害者は被害者に精神的苦痛を与え、懲らしめようとするのでメンタルにかなりのダメージを負います。
 
なので、今からどうしてサイレントトリートメントは人に害を及ぼうすのか6つの理由についてお話しします。
①拒絶感
 
サイレントトリートメントをされると『自分は拒絶されているんだ』と嫌な気分になるかと思います。
 
皆さんに想像してもらいたいんですが、もしこれが親が自分の子供にしていたとすれば、子供への影響ってものすごく大きいですよね。
 
ナルシストの親は自分のエゴのために子供を心理的に操って、サイレントトリートメントで罰を科します。
 
例えば、親に十分な愛情を与えてもらえなかった子供と親から沢山の愛情を与えてもらった子供の自己肯定感の差というのは一目瞭然だと思います。
 
実際にナルシストのパーソナリティが形成されるのは幼少期のトラウマが原因のうちの一つと言われているように、サイレントトリートメントは子供へのメンタルにも悪影響な訳なんですね。
②自尊心の問題
 
2つめは自尊心に問題を抱えるからです。
 
ナルシストの精神的虐待を受けると、自己否定や些細なことですぐに謝ったりなど、自己価値に問題を抱えます。
 
ナルシストに自分を否定されたことにより、自分には価値がないように感じてしまい、不安を抱え自尊心の低下に悩まされます。
 
鬱病や他の病気や障害を抱えてしまったり、心理的なストレスによる精神疾患を抱えることも珍しくないです。
③心理的操作
 
冒頭でもお話ししたように、サイレントトリートメントは心理的操作の戦術のうちの一つです。
 
心理的に操作されるということは『心をコントロールされる』ということになります。
 
心をコントロールされると、自分で判断できなくなったり自分を必要以上に責めたり、認識や知覚、記憶を疑い始めてしまいます。
 
例えば誰かに無視をされると、自分が悪いことをしていなかったとしても『あれ、私この人に何か悪いことしたかな』と気になってしまいますよね。
 
その感覚が心理学で言われるマニピュレーションで、ナルシストは悪意を持って人を操って、相手に罪悪感とか劣等感を感じさせて現実逃避します。

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④被害者への非人間化
 
非人間化とは
 
非人間化というのは、文字の通り相手を人間のように接したりせず、粗末に扱うことを指します。
 
ナルシストは自分より下だと判断した人に対して、相手を見下し『自分よりも劣っている』と決めつけます。
 
彼らは『自分の方が凄いし、優れていて特別な扱いを受けるべきだ』という思考や冷たい気持ちを持つので、自分よりも弱い立場の人をいじめたりするんですね。
 
なので、自分が認めない人を人間のように扱わないということから、相手を同じ人間として尊重しない発言が目立ったり、このように無視をして存在を全否定するんですね。
⑤身体への影響
 
サイレントトリートメントによる精神的虐待は、メンタルだけではなく肉体にも悪い影響を与えます。
 
気持ち的に落ち込んだり元気がなくなるだけではなく、ストレスによる病気、例えばトラウマや頭痛や腹痛など他の病気も発症する原因にもなる可能性も十分にあるんですね。
 
精神的虐待は身体的虐待と比較すれば、あざや切り傷など外傷は残らないですが治りにくい心の病気を患ってしまうこともあるので、これからもっと精神的虐待を受けた被害者への影響も重要視された方がいいなと思います。
⑥人間関係を壊す
 
コミュニケーションすることを拒否することによって、まずその関係がギクシャクします。
 
無視する人の心理は
 
・言葉で伝える代わりに態度で示している
・相手を見下している
・会話をしたくない
・相手の関心を引きたい
・嫉妬している
・心に余裕がない
・自分が抱える劣等感を相手に映しているなど
 
 
が色々考えられますが、こういった心理状態で無視をし続ける人と一緒にいると、その関係も段々悪くなる一方ですよね。

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まとめ

 
このようにわざと相手を傷つけるために無視をするという行為は心理的虐待に該当する可能性があります。
 
無視をして人に嫌がらせをする人は、最終的に信用を無くして自分が大変な時に周りの人に助けてもらえなかったり、対人関係で問題を抱える可能性は非常に高いです。
 
関心を引きたいとか嫉妬しているなど色んな心理が隠されている訳ですが、無視をする人はサイレントトリートメントをして自分の抱えるストレスや不満をぶつけます。
 
また皆さんが自分を攻撃してくる嫌な人を無視して自分を守ることはサイレントトリートメントではなくて、サイレントトリートメントをする人は悪意を持って相手を精神的に苦しめます。
 
メンバー限定配信ではこの動画の続きとして無視してくる人をどのように扱えばいいのか、無視で受動的攻撃をしてくるナルシストの『サイレントトリートメントへの対処法』について話しています。
 
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この記事を書いた人
中村りん

渡米後、悪性ナルシスト(Malignant Narcissist)によるモラルハラスメント体験をきっかけにナルシシズムやパーソナリティ障害を知る。アメリカの自己愛性パーソナリティ障害(NPD)に関する研究から得た知識を集め、同じ境遇の方に向けて『目に見えない精神的虐待』や『有害な人(Toxic person)』への対策を解説。

【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg