中村りんの心理学研究所

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ナルシスト・ナルシシズム・自己愛性虐待を詳しく解説しています。

【超危険】なぜナルシストはフーバリングをするのか|自己愛性パーソナリティ障害

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ナルシストと別れたのにヨリを戻そうとしつこく復縁を迫ってきたり、離婚を切り出したら泣きついて謝ってきた経験はありませんか?

 
日本ではフーバリングという言葉自体かなり新しいもので、『調べても情報量が少なすぎる』という声を沢山いただいているんですね。
 
なので、今日は皆さんに『ナルシストがフーバリングをする理由』をお伝えしていきます。

フーバリングとは

 
フーバリング(Hoovering)というのは『ナルシストがもう一度ターゲットを捕まえようとすること』です。
 
つまり、ナルシストな元彼や元カノ、モラハラ加害者が被害者を再びコントロールするために引き戻そうとすることを、アメリカの心理学でフーバリングと呼びます。
 
英語ではよく動詞で『フーバーする(hoover)』と言い方をよくします。ちなみにこれは、友達、家族、職場の人にも該当します。
 
この言葉の由来なんですが、そもそもフーバリングというのは掃除機を意味しているんですね。この用語はアメリカの掃除機のブランドに由来するそうです。
 
掃除機が吸い込むように、ターゲットと再び関係を取り戻して、自分の人生に関わるという意味が含まれているんですね。
 
『ナルシストと付き合ってたけど、フーバリングされたことない』という方ももちろんおられると思いますが、ナルシスト全員が全員、フーバリングをするわけではありません。
 
ただ相手がナルシストの場合、フーバリングは結構高い確率で起こるので、『ナルシストから逃げようとした時に、こんなことが起こる可能性がある』と知って、対策のための準備をしておくことをオススメします。
 
どうしてナルシストの正しい知識を得ることがそれほど大切なのかというと、こちらがフーバリングに反応することは、彼らにとっては利益をもたらすことになるからです。
 
フーバリングは彼らにとって相手の心を操る手段であり、弱みに付け込んで絶好のチャンスを狙ってきます。
 
ナルシシズムの性格特性は自分が犠牲になることを避け、自分自身の利益に繋がる時のみ行動する性質を持ちます。
 
では何故そこまでして、一生懸命フーバリングをして逃げようとしているターゲットにしがみついて離れようとしないのか、その理由についてお話ししていきます。

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何故ナルシストはフーバリングをするのか

 
まず、ナルシストは私たちがほっとくと忘れた頃に戻ってくるというのはあるあるですよね。
 
彼らがフーバリングをする理由は、自己陶酔的な供給のためであると言われています。
 
理由は自己陶酔が欲しくて欲しくてたまらない、またターゲットがエゴを養ってくれると知っているからであり、研究では自己陶酔は依存的なものとされています。
 
ナルシストの本質的に、彼らは自己価値を感じることや、ありのままの等身大の自分を肯定することが苦手です。
 
要するに、内面的に空っぽでその虚しさや孤独、不安、無価値感を今までターゲットが必死に埋めて、自己陶酔を与えていたということになります。
 
モラハラや虐待行為と引き換えに、ターゲットを自分のストレス解消のサンドバッグ代わりに使って、心を安定させていたわけですよね。
 
今まで自分の思い通りにコントロールしていたターゲットを手放してしまうと、ナルシストは焦り始めます。
 
なので、ラブボミングと呼ばれる心理的操作で狙ったターゲットをもう一度捕まえようとするんですね。
 
ナルシストと自己陶酔的な供給は切っても切れない関係であり、彼らの内面で自己陶酔のサプライが不足してくると過去の恋愛や人間関係に逆戻りして、過去のターゲットに固執します。それがナルシストがフーバリングをする理由のうちの一つです。
 
また万が一、一人目のターゲットとの関係が上手くいかなくなった時のために、彼らは複数のターゲットをキープすることもあります。ターゲットがこうして知識をつけて、ナルシストについて学び始めますよね。
 
そうすると『自分の本性を見破られた!』とナルシストの心理的操作が強化されることが多いです。
 
ちなみにフーバリングは距離を置いてから何ヶ月、何年経っても起こるものであるとされているので、現時点でナルシストから連絡がないからと言ってもう今後自分の元に戻ってこないかというとそうではないかもしれません。
 
彼らは自分が欲しいものをターゲットが持っているということを知っています。
 
それが自己陶酔で、ナルシストは自己陶酔に飢えた時ターゲットをもう一度コントロールできるか、まだ自分の支配下にいるか明確にするためにフーバリングをします。
 
もしくは、新しいターゲットの自己陶酔が自分に合わないと
 
『あなたを愛しているから』
『あなたのこと大切に思っているのよ』
『あなたに会えなくてずっと寂しかった』
『全部あなたのためにしてあげていたことなの』
『これからは気をつけるから、今までのこと許して欲しい』
 
と言って、もう一度関係を修復しようとしてきますよね。毒親やモラハラ加害者がよく使うセリフだと思います。
 
こういったセリフは全部、ラブボミングと言われる心理的操作のテクニックだと言われています。
 
ナルシストは相手の弱点を掴むのが得意なので、何を言ったら相手が喜ぶかというのを計算するプロであります。これらの言葉は言い換えると、実際は
 
『支配できる子供が戻ってきてくれた!』
『これでまたパートナーを束縛できる!』
なんですよね。
 
仮にここでターゲットが許すと、後に虐待やコントロールはもっと悪化するケースがほとんどです。正直言うと、ナルシストは変わらないことの方が多いです。
 
もし態度を改めて改善に取り組んでいるとすれば、もしかするとその人がナルシストである可能性は非常に低いかと思います。完璧な人はいないし、人は誰でも間違いを犯します。
 
ただナルシストは自分の非を認めず、失敗から学ぶことはなく、学んだとしても『次からどうやったら上手く相手を操れるか』こういったことばかり考え、悪知恵が働くからです。
 
感覚が歪んでいて、さらに理想的な自分を維持するために平気で嘘をつくので、ラブボミングの甘い言葉には騙されないように注意が必要かと思います。
 
もうモラハラしない、暴力を振らない、傷つけない、束縛しないなど、強く約束したとしても、誓約書を書いたとしてもナルシストは平気で約束を破ります。
 
人は誰でも間違います。なので、誰かが本気で謝ってもう一回やり直したいと主張することはフーバリングではなく、フーバリングは自己陶酔のためにターゲットを取り戻そうとする行為で、騙そうとする行為でもあるということが言えます。
 
ポイントとして、それが相手のためか自分のためか目的を探ることだと思います。
 
フーバリングは贈り物や褒め言葉などのラブボミングだけとは限らず、色んな手口を使って行われます。
 
例に出すと、カバートナルシストがよく使う方法として偶然を装ってばったり遭遇したり、間違えてラインを送ったなどもフーバリングに該当します。
 
他にもフライングモンキーを使ったフーバリングも頻繁に行われますよね。他の兄弟、同僚、共通の友達など第三者であるフライングモンキーを使います。
 
具体的な例で言うと、フライングモンキーに『〇〇が心配してたよ』と言わせたり、間接的に関係を繋ごうとしてきます。
 
ターゲットがいくら距離を置こうとしていても、誕生日や何か行事ごとを上手く利用して距離を縮めてくることもありますよね。
 
参加しないと罪悪感を感じさせてきたり、こういった少し陰湿なやり方は全て相手をコントロールするためなのです。
 
ちなみに私が関わった悪性ナルシストは、仮病を使って同情を誘うなんてこともありました。
 
これは小さい子供がお母さんにしんどいふりをして気にかけてもらおうとする心理と全く同じで、ナルシストも相手の気を引くために、わざと嘘をついて注目してもらおうとします。
 
最後にフーバリングをされた時ターゲットに起こることについてお話ししたいと思います。

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その前にメンバー限定動画では『【重要】ナルシストのフーバリングへの対処法 |メンバー限定配信 - YouTube』を紹介しています。私の住んでいるアメリカでは、どういった対処法が推進されているのかこちらの動画でメンバーの方にシェアしているので、是非チェックしてみてくださいね。

フーバリングをされた時ターゲットに起こること

 
距離を置いているのにフーバリングをされる時、ターゲットに認知的不協和が起きやすいです。認知的不協和というのは、『自分の思考や行動に矛盾があるときに生じる不快感やストレスのこと』を言います。
 
要するに、『モラハラや虐待に耐えられない。でも、嫌いなんじゃない。本当は離れたくない』と感じてしまうわけです。
 
これは虐待健忘症(Abuse amnesia)と呼ばれるもので、一度距離を置くと相手のことが寂しくなったり、虐待が遠い記憶のことのように感じます。
 
これは加害者のガスライティングが原因とされていて、被害者が現実逃避するような心理です。加害者に対して怒りや悲しみだけでなく、ラブボミングによって好意に似た感情を持ってしまうことなんですね。
 
もちろん加害者に対して恐怖感はあったとしても、楽しかった思い出や記憶を辿ることで、離れたくないと感じることも多いです。
 
『この人しかいない』
『離れた自分が間違ってたのかも』
『優しい一面もあったな』
『完璧な人はいないよな』
『虐待するのは本来の姿ではないんだ』
 
と複雑な感情を抱くことがあるかと思います。
 
ナルシストの自己愛性虐待ではこのようなことが起きることは至って普通であり、皆さんに『自分だけが体験しているのではない』と知って欲しくて、今回この動画を作りました。
 
ナルシストのパートナーや毒親、毒友と関係を再開することで、一旦自分が過去に負った傷は癒されたように感じるかもしれません。
 
ただ自己愛性虐待は継続するので、関係を再開した後再び虐待サイクルに巻き込まれて、ふり出しに戻る可能性があるということを知っておくことは重要だと思います。
 
ナルシストの発言や行動はガスライティングと混乱、心理的操作、この3つが基本です。
 
なので、行動パターンを知っておくことは欠かせないです。それがその人の在り方であるということを証明するものだと思います。
 
確かにラブボミングは、『自分は愛されてるんだ。相手に求められているんだ』と素晴らしい気持ちにしてくれるものでもあります。
 
ただそれはナルシストのマニピュレーションであり、人を惹きつけるのが得意なナルシストにとって、フーバリングはさほど難しいものではありません。むしろフーバリングを楽しむタイプもいて、フーバリングは時に依存的で、危険な場合もあります。
 
このようにフーバリングは『自分の手の届くところにターゲットを置いておきたい』という欲望の塊であり、大事なのはそれが罠だと知り、餌に食いつかないことです。
 
そして、彼らはターゲットが恋しいからではなく、ターゲットが与えてくれる自己陶酔が恋しいということを理解することです。
 
共感力が高いと、『理解者になってあげたい』『この人を分かってあげられるのは自分しかいない』と責任感を感じるかもしれません。こちらに『私はこの人を見捨ててしまったんだ』と罪悪感や恥の感情を煽るために、あらゆる方法でフーバリングをしてきますが、まず動揺しないことです。
 
それがフーバリングだと知ると、焦らず慎重に取り扱うことができます。
 
もしナルシストにフーバリングをされて辛い中でも、皆さんが有意義に過ごせるようになるべくポジティブな方へ持っていって平穏に生活できますよう応援しています。

クラウドファンディングのお知らせ

 
そして、最後に皆様にお知らせがあります。
この度クリエイター支援を募ることを決め、クラウドファンディングを立ち上げました!
 
このプロジェクトを始めるに至った経緯や、どうして支援が必要なのか具体的な理由をYouTubeのコミュニティの方でお伝えさせていただいています。クラウドファンディングプラットフォーム・GoFundMeでの寄付手順につきましても画像付きで紹介しています。
 
**画像付きの寄付手順
 
『中村りんの活動を応援したい!』
『このチャンネルを支援したい!』
『もっと役立つコンテンツを作って欲しい』
 
という方や、ご支援頂ける方がいらっしゃいましたら、概要欄のリンクからご覧になって頂ければと思います。
 
そして、GoFundMeのShereからこのクラウドファンディングをSNSで共有していただけることも可能ですので、シェアのみの参加も大歓迎です。
 
では、今日お話ししたような攻撃的なナルシストから距離を置くと、彼らはどういった行動を取り始めるのか、こちらの動画で『ナルシストから逃げた時に起こること』を解説しているので、ナルシスト対策を強化したい方は、是非ご覧になってくださいね。
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この記事を書いた人
20220924101655
中村りん

渡米後、悪性ナルシスト(Malignant Narcissist)によるモラルハラスメント体験をきっかけにアメリカのナルシシズムに関する知識を得て、2021年情報発信するためYouTubeを開始。日本でまだ知られていない自己愛性虐待や、ガスライティングへの認知度と理解を高めるために活動中。同じ境遇の方の自尊心の回復とエンパワーメントに向けて『目に見えない精神的虐待』や『有毒な人(Toxic person)』への対策を解説。

【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg