「もしかしたら、私がナルシストなのかもしれません」
視聴者さんからこんなコメントがよく届きます。あなたは、ナルシストの嘘に騙されたり、「こんなことなったんは、ほんまは自分が我が儘で、自分の自己愛が強いからや…」なんて自分を責めていませんか？
ナルシストの嫌がらせや虐待を受けると、自分自身や今起こっている状況を客観視することがかなり難しいんですよね。私がそうでした。ですので、今日は被害者の気持ちを代弁したいという強い思いからで、『ナルシストと被害者の違いを見分ける方法』についてお話しします。
ナルシストとナルシストじゃない人の見極め方を紹介して、本当は被害者なのに自分が加害者だと思って苦しんでいる人を、私では力が及ばないですが50％くらい減らしたいと思います。そのくらいの気持ちで解説していきたいと思いますので、最後まで観てくださると嬉しいです。
本題に入る前に、この動画はナルシストに関する知識を広めるための情報提供を目的とし、自己診断する目的ではないということをご理解していただきますようお願いします。ご自身のメンタルが心配な方は、専門家に相談することをお勧めします。
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ナルシストと被害者の違いを見分ける方法
①フラッシュバック
ナルシストによる精神的虐待、もしくは身体的虐待を受けると、フラッシュバックに悩まされることがほとんどです。「過去の経験やエピソードが思い出され、突然脳内で再現される現象」のことを、フラッシュバックと言うんですね。
これは映画や小説にもよく使われていますが、私たちの実生活にもよく起こります。実は、フラッシュバックが起こるタイミングは、虐待が起こっている時よりも、ナルシストと別れた後や離れてからの方が多いみたいです。
フラッシュバックは、過去の思い出が強く訴えかけてくることがあり、この時、現在の状況から一時的に離れて過去に戻ってしまいます。このフラッシュバックは、心のトラウマやストレスなどから引き起こされることもありますが、嫌な思い出だけとは限りません。
例えば、素敵な思い出とか、楽しいエピソードを思い出させることもあります。フラッシュバックを体験することは、自分の思い出を再認識することにもなります。
これによって、今まで自分が忘れていたことを思い出し、新たな気付きが得られることもあるからです。ただ、いじめや虐待などのショッキングな記憶が蘇ったり、フラッシュバックが酷い場合は、被害者は複雑性PTSDという心的外傷を抱えている場合があります。
アメリカでは、Complex PTSDというので、C-PTSDと呼ばれるのが一般的です。PTSDは、Post Traumatic Stress Disorderの略なんですね。
複雑性PTSDとは「長期的なトラウマや複数の虐待体験によって引き起こされる心理状態」を指すんですね。この状態は、眠れない、恐怖、怒り、無力感などの様々な症状を引き起こすことがあります。
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②解離に悩まされる
解離というのは、心理学では防衛機制のうちの一つで、「心理的に現実から切り離されている状態のこと」を言うんですね。簡単に言うと、「トラウマ状態を切り離すこと」で、この状態はストレスやトラウマ、不安などによって引き起こされて、自分自身や周囲の環境から距離をとっているような感覚が生じるわけです。
この状態になると、社会的な関係やコミュニケーションに支障が出る場合があります。例えば、感情が分からないなど、意識や記憶などの感覚をまとめる能力が、一時的に失われてしまうんですね。
体験してみないと分からない感覚ではあると思います。要するに解離は、自分自身が現実から離れ、記憶が抜け落ちたり、遠くから自分自身を見ているような感覚に陥ることです。
ただ解離は案外珍しいものではなく、自分自身を守ろうとする自己防衛の一種と考えられています。ストレスやトラウマなどの激しい経験から逃避するために、自分の感情や経験を遠ざけようとする心理メカニズムなわけです。
もっと分かりやすく言うと、災害や戦争を体験した人は当時の状況など、忌まわしい出来事を思い返すのが非常に辛く、出来れば話すことを避けたいですよね。それと同じように虐待も、心理的にも身体的にも傷つけられたことをなるべく避けるたり、自分の負担を軽減させる状態です。
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③虐待健忘症
こういった状況の中で、被害者は虐待健忘症(Abuse amnesia)というものを抱えます。これは解離と少し似ているような気もしますが、トラウマやストレスから逃れるために、脳が忘却（ぼうきゃく）することを指すんですね。
例えば、一度加害者と距離を置くと相手のことが寂しくなったり、虐待が遠い記憶のことのように感じたことはありませんか？あんな感覚です。
されたことは虐待なんだけど、相手に対して同情したり複雑な感情を抱いてしまうんですよね。ナルシストに狙われてしまいやすい人は、他人の気持ちをすぐに察することができたり、共感力がものすごく高い人が大半です。
ですので、加害者に対して怒りや悲しみだけでなく、ラブボミングと言うナルシストの心理的操作のテクニックによって、相手に対して好意に似た感情を持ってしまうことなんです。もちろん加害者に対して恐怖感はあったとしても、楽しかった思い出や記憶を辿ることで、離れたくないと感じることも多いです。
『私にはこの人しかいない』『別れた自分が間違ってたのかも』『彼/彼女には親切な面もある』『完璧な人は存在しない』『あれはきっと本心ではないんだ』 という感情を抱くことがあるかと思います。
これは心理学では、認知的不協和という２つの矛盾した認知が生じた時に起こる不快感を指します。虐待健忘症とは、虐待された経験を忘れようとすることから生じる心理症状です。
虐待健忘症を抱えた人は「大丈夫だよ」と強がって、他の人には普通に振る舞うかもしれませんが、内面は複雑で苦しんでいます。このような内面の傷はまだまだ理解されにくいものではありますが、被害者が傷を癒せるように周囲がサポートしてあげることが大切だと思います。
④自信がない
被害者には、「自分には足りないものが多すぎる」とか「自分には何かが欠けている」と考えてしまうタイプが多いです。自分が受けた虐待や自分自身の存在意義を否定されてきたことで、自己肯定感がかなり下がってしまうんですね。
こういう風に物事や自分自身をネガティブにとらえてしまう原因は、自尊心の低下、不安、不信、自己評価の悪化などと関連しているとされています。このような思考を持つタイプは、自分自身を否定的に見てしまったり、「他の人からの期待に応えなきゃ」と考えてしまいがちで、正義感が強いです。
ナルシストはその逆です。彼らは過剰な自己評価や、脆い自尊心を持っています。自分を高く評価して、他の人よりも優れていると信じていますが、内面には自信のなさや不安を感じているんです。
⑤すぐ謝る
ナルシストは自分の非を認めず、謝ることはほぼありません。ですが、被害者はその反対ですぐに謝る傾向があります。
支配的なナルシストが心理的にコントールすることで、被害者は自分の意見より相手の意見を優先してしまいがちです。被害者は共感力が高いことから、周囲の感情や考えを最優先し、責任感も強いです。
また誠実なところがあり、人を傷つけないように努力する一面があります。よって、自分自身の欲求を無視してまで、他人に合わせようとすることも多いです。
「あ、これ私だ！」って感じた方も少なくないと思います。今回は、自分のせいじゃないのに「私が悪いんだ」と自分を責めてしまう人たちに向けて、「あなたのせいじゃないんだよ」ということに気付いて欲しくて、この動画を作りました。
あなたが狙われたのは、あなたが持っている素晴らしい特質や能力に対してのナルシストの嫉妬心が原因だという事実があるからです。彼らは自分が持っていないものを求めて、それを手に入れようとするために、あなたを傷つけました。
でも、このような行為は自分の不安や自信不足から生じたものであり、あなたには全く関係ありません。
あなたは自分自身を愛すべき人間であり、貴重な存在です。自分を貶めることなく、自分自身を大切にしてあげてくださいね。
今回のトピックとして「ナルシストと被害者の違いを見分ける方法」を紹介していますが、これは私が自身の経験から得た知識を元に、心理学と精神医学の研究を参考にまとめたものです。
モラハラや心理的な嫌がらせをしてくる人に対処する方法について、メンバーシップ限定動画で詳細を説明しています。これを見ることで、ナルシストに対して有効な対処法や、自分自身を守るためのノウハウを学ぶことができます。
特に、『ナルシストが戻ってきた時に一番にするべきこと』については、この動画で詳しく説明しているため、ぜひ見ていただきたいと思います。参加して、自分自身を強くし、自信を持って前を向く力を身につけてくださいね。
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この記事を書いた人
中村りん
2016年に渡米し、悪性ナルシストにターゲットにされた経験から、現地で学んだ自己愛性パーソナリティ障害(NPD)、心理学、ガスライティングに関する知識を活かし、2021年にYouTubeで情報発信を開始。日本ではまだ知られていない自己愛性虐待(Narcissistic Abuse)の認知度や理解を高めることを目的とし、”ナルシスト対策解説者”として活動中。同じ経験をされた方々の自尊心の回復とエンパワーメントに向けて、「目に見えない精神的虐待」や「アメリカ最新のモラハラへの対処法」について解説。
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