中村りんの心理学研究所

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ナルシスト・ナルシシズム・自己愛性虐待を詳しく解説しています。

【ナルシストの心理操作術】エモーショナルブラックメールと対処法

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【ナルシストの心理操作術】エモーショナルブラックメールと対処法

 

皆さんはエモーショナルブラックメールって聞いたことありますか?

これはナルシストなど人の心をコントロールして欲しい物を手に入れようとする人が使う数ある『心理的操作のテクニック』のうちの一つになります。
 
例えば『〇〇しないと〇〇するからね』
支配的な毒親やパートナー、友達、職場の人はこういった言葉をよく使って、人に不安を感じさせますよね。
 
皆さんの中にも『脅し』を使ってナルシストに操られた経験があるという方はおられると思いますし、私自身も過去に体験して不快な思いをしたことがあります。
 
今日は『エモーショナルブラックメール』についてお話しします。
 
記事の最後には対処法も紹介します。
 
これは職場や家庭内、学校、色んな場面で実際日常的に起こっていることですし、ナルシストがどういった方法で人を操るのか知ることで、今後皆さんの心を支配しようとしてくる人に出会っても危害を加えられないように対策することができます。
 

エモーショナルブラックメールとは

 
まずエモーショナルブラックメール(Emotional black mail)とは、日本語にすると『感情的な脅迫』という意味があって、これは『誰かに脅したり、感情的に不安にさせるようなことを言って自分の欲しいものを手に入れる方法』のことを言います。
 

ナルシストやサイコパスは相手の感情を巧みに操って、自分の要求に応えさせます。

 
彼らは相手の共感を上手く利用して、例えば極端な例ですが『〇〇しないと〇〇するからね』など脅迫に近い発言、または相手を傷つけるかもしれない、もしくは自分を傷つけるかもしれないという『脅しの言葉』を使い相手に不安感を与え精神的に苦痛を与えるのがエモーショナルブラックメールなんですね。
 
恋愛の場合だと『別れたら生きていけない』など、一般的に『メンヘラ』と呼ばれる人たちはこのやり方で相手を不快にさせることが多いと思うんですが、何故彼らがこの方法を使うのかというと『相手を脅すと自分の欲しいものが手に入るということを理解しているから』です。
 
これは『言われた通りにしないと、自分に危害を加えてくるかも』と感じさせて、自分の思い通りにコントロールするというやり方なんですが、メンヘラの人だけではなく『毒親』もエモーショナルブラックメールを使って子供に罰を与え、このエモーショナルブラックメールは精神的虐待に該当します。
 
単純に躾の方法として『勉強しないとおやつ無しだからね』とかのレベルではなくて、エモーショナルブラックメールはもっと悪質で、自分が全く悪くない状況でも『〇〇をしない自分が悪いんだ』という気持ちにさせられます。
 

ここで覚えておきたいことなんですが、自分が欲しいものや必要なものを誰かにお願いすることはエモーショナルブラックメールにはなりません。

 
私たちにとって家族や友達、職場の人、学校の先生など沢山の人に自分が困った時にサポートしてもらうことは欠かせないことですが、エモーショナルブラックメールはそれとは全く違い『脅しを使って相手の心を心理的にコントロールする目に見えない虐待』だということなんですね。

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エモーショナルブラックメールの見分け方

 

じゃあどこからがエモーショナルブラックメールで、どこからがエモーショナルブラックメールじゃないの?

人に無理なお願いをして、相手を悪い気持ちにさせたらエモーショナルブラックメールになってしまうの?

という疑問を抱いておられる方もおられると思います。
 
ここからはエモーショナルブラックメールについてもっと深く探って、『エモーショナルブラックメールの見抜き方』について解説していきます。
 
まず始めにエモーショナルブラックメールという用語は、『毒親』という言葉を作ったスーザン・フォードというアメリカの心理療法士によって作られました。
 
『毒になる親』や『ブラックメール 他人に心を操られない方法』の作者である彼女が非常に分かりやすい言葉で『エモーショナルブラックメールの見抜き方』を説明されているので、その言葉を今から皆さんにご紹介したいと思います。
 
FOG(フォグ/霧)
 
Fear 恐怖
Obligation 義務
Guilt 罪悪感
 
FOG(フォグ/霧)という言葉なんですが、まず1つめのFearは恐怖、2つめのObligationは義務、最後の3つめのGuiltは罪悪感です。
 
人の心を操って目的を達成しようとする人は『恐怖、義務、罪悪感』のこの3つを使って、エモーショナルブラックメールを行います。
 
ポイント
エモーショナルブラックメールをすることをエモーショナルブラックメーリング(Emotional blackmalling)と言います。
 
 
エモーショナルブラックメーリングをする人は相手が言われたくないことを意図的に言いまくったり、罪悪感や恐怖心を感じさせ、自分に注目を集めさせて自分が必要なものを相手から奪い取っていきます。
 
親がナルシストの場合は、『親の言いなりにならないと自分には価値がないんじゃないのか』『親が幸せじゃないのは自分がダメだからだ』とまで考えてしまいます。
 
自己愛の強い親は子供に対して『借りがある』とまで感じさせます。
 
エモーショナルブラックメールは友達同士でも起こります。
 
相手の要求に応えないことで仲間外れにしたり、誰かにチクるような発言をして感情的に支配していきます。
 
例えば2つめの義務だと、何か人が行動する時は自分がやりたいから行いますよね。
 
相手に押し付けられている状況では、『親が悲しむから』『本当はやりたくないけど、パートナーが喜ぶから』『これをしないと罰を与えられるから』と疑心暗鬼になって、どんどん状態が悪化していきます。
 
いじめもそうですが、自分が受けている被害を誰かに打ち明けることはいじめられている人からすると勇気のいることだと思います。
 
『誰かに話すといじめがもっと酷くなるんじゃないのか』と被害者が不安や恐れを感じてしまうのは、加害者のエモーショナルブラックメールによってコントロールされているからなんですね。
 
こういった状態が続くと被害者のメンタルに悪影響ですし、何より安全な場所へ逃げることが何よりだと思います。
 

皆さんはこのエモーショナルブラックメールを誰かにされた経験はありますか?また、その時どのように対処されましたか?知りたい方も多いと思うので、皆さんの体験談や今この記事を読んで感じたことなどあれば、是非コメント欄で教えていただけたら嬉しいです。

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脅しで心を操ってくる人への対処法

 
では、最後に『エモーショナルブラックメールをされて困っている』という方に向けて、『脅しで心を操ってくる人への対処法』を詳しく解説していきます。
 
職場のパワハラや家庭内のモラハラ、毒親の支配、近所の人や友達によるハラスメント、学校のいじめなど様々な状況で役立ちますので是非参考にしていただけたらなと思います。
①安全確保
 
まず何よりも皆さんの身の安全を守ることが第一ですし、もちろん緊急の場合は110です。
 
またDVのホットラインは自分に合ったリソースを提供してくれるので、自分やお子さんの身に危険を感じたら最悪の事態になる前に、勇気を出して助けを求める必要があると思います。
 
とにかく一時的でも虐待から逃げて加害者と距離を取って、心が安らぐ場所で身も心も休めるということが最善です。

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②境界線を引く
 
どんな状況でも自分に危害を加えてくる人、毒を吐いて貶めてくる人には『境界性をしっかり引くこと』は肝心です。
 
自分の中でルールを決めて『ここまでは許せるけど、これをされるのは絶対に許せない』と境界を設定するんですね。
 
相手がどんなことを言ってこようが、
 
・自分が傷つくこと
・自分を悲しませること
・自分を怒らせること
 
を知って、『自分の限界を知ること』は、自分自身を守るのに本当に大切です。
 
例えば、自分の負担になっていることや迷惑をかけられていることをしっかり理解して、はっきりノーと断ることは忘れてはいけないことだと思います。
 
操作的な人は相手に考えさせる暇も与えず、次々と言葉巧みに自分の利益のためだけに要求し、搾取します。
 
『〇〇をしてくれないならもういいわ』『自分勝手だな』『じゃあもうあんたが困った時は助けないから』
 
 
もし皆さんが断ったら、こういった言葉を並べて罪悪感を植え付けてくるかもしれません。
③自分のせいではないと理解する
 
なので、3つめに大事なことは『こういった状況になっていることは、自分のせいではないと理解すること』です。
 
こういった問題行動や相手の言動は相手の問題であって、皆さんのせいではないんですね。
 
覚えておきたいことはそれは彼らが自ら選んで取っている行動だということで、自覚しているしていないは別として、彼らが操作的だからこういった問題が起きるんですね。
 
もし彼らが相手のことを尊重しているのであれば、先程挙げたような人に責任をなすりつける言葉は出てこないと思います。
 
『罪悪感を感じさせて欲しいものを与えてもらう』というのが人の心を操る人の心理なので、どんなことを言ってきたとしても決して『自分が悪いんだ』と責任を感じて完全に自信を失ってしまったり、悲観的にならないで欲しいなと思います。

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④違うことに焦点を向ける
 
ナルシストはターゲットにその関係や問題に依存させようと必死にマニピュレーションを行います。
 
彼らに心を操られる状態っていうのは、例えば家事や仕事に集中できなかったり何も手に付かない頭の中が混乱した状態なんですね。
 
ポイント
これを心理学ではブレインフォグ(Brain fog)と言って、モラハラなどの精神的虐待の後遺症として『頭の中に霧がかかったような状態』がしばらく続いてしまうことがあります。
 
 
要するにモヤモヤした気持ちが続いたり、慢性的なだるさを感じることが多いです。
 
この頭がぼーっとするような思考力や集中力の低下を改善するには、カウンセラーや専門家に相談して治療を受けたり、十分な休息を取ることをお勧めします。
 
自分を精神攻撃してくる加害者にではなく、自分の好きなことに焦点を当ててメンタルを改善することは必要なことだと思います。
 
メンバー限定配信ではこの動画の続きとして『しがみついてくるしつこいナルシストを払い除ける方法』について話しています。
 
▼興味のある方は、ぜひメンバーに参加してご覧になってください♪

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この記事を書いた人
中村りん

渡米後、悪性ナルシスト(Malignant Narcissist)によるモラルハラスメント体験をきっかけにナルシシズムやパーソナリティ障害を知る。アメリカの自己愛性パーソナリティ障害(NPD)に関する研究から得た知識を集め、同じ境遇の方に向けて『目に見えない精神的虐待』や『有害な人(Toxic person)』への対策を解説。

【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg